失業者よ、出でよ 2001年09月04日
失業者問題は、なぜ深刻化するのか。それは、特殊法人に勤めている“労働者”が一人も失業しないからである。あるいは官庁の“役人”が一人も失業しないからである。
“構造改革”の本質は、まっさきに特殊法人や官庁のリストラやリエンジによる失業者“問題”であったり、資本注入した銀行指導層の“失業”問題でなければならないのに、なぜ、一般企業の失業者問題が前面化するのだろう?
小泉の言う「いたみ」は、既得権益にしがみついている特殊法人や官庁の身を切る「いたみ」でなければならないのに、なぜ、一般企業の失業者問題が真っ先に前面化するのだろう? 5%の失業者の中に特殊法人や官庁の“労働者”はたぶん一人も含まれていないだろう。ふざけた話だ。いったい誰のための構造改革なのだ。一般企業の労働者が5%失業者しても世の中は、少しも構造改革されないが(暗くなるばかりだが)、特殊法人や官庁の“労働者”が5%の中に少し含まれただけで、世の中は一挙に変わる。同時に「失業者問題」も解消する。特殊法人や官庁の“労働者”が失業するということは、規制緩和に直結し、それ自体新しい雇用創出だからだ。現在の失業者は構造改革の結果や前兆ではなくて、それ自体、構造改革が進んでいないこと、進まないこと(構造改革への絶望)の結果にすぎない。連合や民主党が声高にセーフティネット論を唱うのは、筋違いの議論なのである(http://www.ashida.info/trees/trees.cgi?log=&v=389&e=msg&lp=389&st= )。たしかにバブルを引きずった放漫経営の企業は倒産すべきだろう。しかし放漫経営の最大の元凶は、特殊法人や官庁の“経営”であって、民間経営は「総理の決断」を待たなくても盛衰の波に洗われる。従って政策的な失業問題は、特殊法人や官庁を解体させることの中にしかない。ここにしか政策的な「いたみ」はあり得ないのである。
最大の“失業保険”は、特殊法人の“労働者”や官庁の“役人”が失業することである。構造改革による失業者の主人公は、まだ誰一人として登場していない。
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