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 天童よしみは美空ひばりを歌うべきだった 2001年01月03日

それにしても、天童よしみはなぜ美空ひばりの歌(「柔」か「川の流れのように」か何でもいいから)を歌わなかったのだろうか、五木ひろしが「山河」を歌うのはいいにしても(彼は何を歌っても巧さが同じ。これは彼の場合ほめ言葉になる)、20世紀最後の紅白に美空ひばり色が全くないというのは許せない。

NHKと美空ひばりとは一時期から仲違いをし始めるのは周知のことだが、歴史的なエポックの紅白に美空ひばりを抹殺するのは理解できない。

去年は、「川の流れのように」を天童は歌ったのだから(抜群だった!)、今年こそ、美空ひばりでトリをとるべきだった。ドリカムの吉田美和であろうと、小柳ゆきであろうとそんなものが束になってかかってもかなわないのが美空ひばり。

吉田美和や小柳ゆき(あるいは大橋純子や高橋真梨子)くらいの歌手はアメリカには捨てるほどいるが、美空ひばりはいない。泣きながら歌える歌手は美空ひばりしかいない。

というより泣きが歌になっている(歌とはそもそもそういうものだろう)のは美空ひばりしかいないだろう。和田アキ子がいつまでたっても下手なのは、泣くと歌えなくなるからだ(それなら嘘泣きしながら歌い続ける松田聖子の方が全然上手い)。それは歌ではない。

そうなるのは、技術で歌おうとするからである。吉田や小柳にもそういうところがある。ブーニンのピアノ演奏も技術的に上手かっただけだ。技術的に上手いということは、〈天才〉とは何の関係もない。

20世紀最後の紅白は、すべての登場歌手が美空ひばりの歌を歌ってもよかったのではないか。


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投稿者 : ashida1670  /  この記事の訪問者数 :
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