日米野球観戦 2000年11月04日
久しぶりに、昨日の学園祭の後、東京ドームの日米野球を観戦してきた。ある人に言わせると「ビールも飲めないくせに東京ドームで野球観戦なんてよくできるわね」とのこと(私は酒もたばこもやらない)。
いやいや、ドームにいくと野球だけではなくて、テレビでは味わえないことがいろいろあります。まず、そのビールや飲み物の、若い売り子たち。たぶん高校生と短大生との間くらいかな、二十歳以下の若い女の子たちが元気に階段通路を上り下りして走り回っている。
その軽快さと言ったら、それはもうすごい。重い生ビールの樽を背中に担いで、4,5分おきに代わる代わる目の前を通る。なんでこんなアルバイトやってるんだろう。酔っぱらったおじさんたちの冷やかしの視線を受けるのが、少し刺激的なのか。それとも、大きな資本の集中する中で、有名人や業界の人の視線に身をさらすのが刺激的なのか。たぶん、援助交際や接待業よりは“清い”仕事に少しくらいはプライドを感じながらの“青春”なのかもしれない。
と思っていると、後ろに座っている家族の様子が気になってきた(私はS席の最前列から27番目の席、ちょうどセンター、セカンド、ピッチャー、キャッチャーのラインをまっすぐのばしたところに座っていた)。2歳の男の子連れの夫婦。「2歳」というのは、その家族の会話を盗み聞きしながらわかった。しかし、どうもそのお母さんが元気すぎる。元気なお母さんというより、よく会話をするお母さんという感じ。おしゃべりという感じでもない。
こういうところに来る親子の家族というのは、特に子どもが3歳以下で小さい場合には、お父さんが野球大好きで、母子は無理やりつれて来られたという場合が大概。お母さんは子供の世話で野球観戦どころではない。父親は、野球に集中しながら、“お前ら静かにしていろ(=“泣かせるなよ、子ども”)という感じなのに、そうでもない。ところがこのお母さんは、子どもにも父親にもよくお話をする(父親もそれに丁寧に対応する)。おしゃべり好きという感じでもないないのによく話をする。おかしい。変だ。
そこではたと気づいた。この人は、お酒のみを相手にする接待業出身ではないか。自分を押し殺したような会話が印象的。そういえば、旦那さんとの歳の差も結構あって10歳くらいは離れている。ひょっとしたら旦那さんは×一で、だから、寂しさ紛らわすために通っていたお店のスタッフが今のこの奥さんかもしれない。そう考えると腑に落ちる。この家族はこれからどうなるのだろう。
そういえば、去年、ドームに来たときにも印象的な家族が通路を挟んで、右側に座っていた。この家族は、お父さんと小学校3年生くらいの男の子。2人ともグローブを持ってきていた。フライ球をとるためだ。きっと喜び勇んで家を出てきたのだろう。最初は、2人とも元気に“かっとばせ”とグローブを振り回しながら叫んでいた。でも3回くらいから元気がなくなっていく。
たぶん、お母さんがいないからだ。お母さんは、きっとまだ下の子(弟か妹)がいて、外で世話するのが大変だから、“あなたがたで行って来なさいよ”と玄関で送りだしたのでしょう(あるいは、入場券が2枚しか手に入らなかったのかもしれない)。でもお母さん!、お母さんのいない、息子と父親なんて、こんなに寂しいものなんですよ。もう4回以降のこの2人は見ていられなくなった。
もちろんフライ球なんか内野席(S席)の前列の方には飛んで来るわけがない。7回以降は子どもは眠たがり初めて、身体をねじ曲げはじめた。2人ともほとんどしゃべらない。この光景をみたら、お母さんはなんて思うだろう。家に帰ったら、このお父さんと子どもは、お母さんになんて報告するのだろう。「楽しかったよ」と答えるに違いない。嗚呼、男(男たち)って寂しいものだ。
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